農産物検査員が愛でる、お米の個性って?

農産物検査員が愛でる、お米の個性って?

茶碗によそわれた白いご飯。
湯気の向こうでふっくら輝く新米に「一粒ひとつぶドラマがある」と気づく秋です。

こんにちは、農産物検査員のこめんてーたーです。
今回は私たちプロが見つめるお米の違いや個性をご紹介します。

💡農産物検査員とは
一言でいうと「お米や野菜の品質をたしかめるプロの判定員(審判)」です。
お米の場合は、粒の大きさや形、色やツヤ、水分などを細かくチェックして、一等・二等・三等とランク分けされます。

■お米のランクについてはこちらの記事で解説しています!

玄米にはランクがあるって知ってた?農産物検査員が語る意外と知らない「玄米の等級」とエモすぎる等級印の世界|

毎日なにげなく食べているお米も、農産物検査のプロと同じように小さな粒の形や色を観察してみると、ものすごく個性豊かなお米たちの姿が見えてくるんです。

プロが愛でるお米の違いや個性の一部をご紹介します。

整粒(せいりゅう):透明感とツヤを放つお米の理想形

傷や欠けが一切なく、田んぼの養分と太陽の光を十分に浴びて真っ直ぐに育った一粒。ガラス細工のようにキリッとした透明感と美しいツヤを放ち、お米の理想形ともいえる姿を見せてくれます。

心白(しんぱく)・腹白(はらじろ):日本酒の主役に抜擢される模様

お米の中心(心白)やお腹のあたり(腹白)に、ミルク色の不透明な模様が入った一粒。一見すると未熟なように見えることもありますが、この特殊な構造が麹菌の菌糸を入りやすくするため、日本酒の醸造の世界では美味しいお酒を造る主役に大抜擢されます。

砕粒(さいりゅう):厳しい自然を乗り越えた努力の証

生育の途中で強い風に揺られたり、乾燥の具合によって少し小さく欠けてしまったりしたお米。形はちょっぴり不揃いで選別されてしまうこともありますが、厳しい自然をくぐり抜け、農家さんの手塩にかけた愛情をしっかり受けて育った一粒です。


品種が同じでも、育った土地の太陽の光をたっぷり浴びた日もあれば、冷たい風に吹かれた日もあります。田んぼの土の匂いや、農家さんが毎日「おいしくなあれ」と見守った温もりが、小さな粒の形やツヤ、色に表れてくるのです。

そう思うと、お米を研ぐときの感覚が少し変わりませんか。


ただの食材を洗っているのではなくて、今日我が家にやってきた個性豊かなお米の旅人たちを美味しく変身させるための準備なのです。



炊きあがったご飯は、柔らかくなってツヤツヤと寄り添い合って湯気を上げます。


「お米の一粒一粒に異なる育ちのドラマがあるんだな」
そんなふうに違いを楽しみながら食べるご飯は、いつもより少しだけお腹も心も温かくなるような気がします。

ご飯をよそう時は、お茶碗の中の粒の表情にそっと目を向けて、秋の新米をご賞味ください。

(投稿:あえのショップ こめんてーたー)

🌾能登のお米屋さん あえのショップ🌾
創業75年、お米の卸売・精米加工を行う中橋商事が運営するお米のオンラインショップです。毎月届くお米の定期便・ご当地米食べ比べセットなど、能登の里山里海の恵みがたっぷり詰まったお米を産地直送でお届けします。